角田光代「予定日はジミー・ペイジ」を読んだ

角田光代さん、昔から大好きで、既刊本はほとんど全て読んでいる。その中でもめずらしい、妊婦さんが主人公の「予定日はジミー・ペイジ」。

あらすじ

流れ星を見つけたとき、あ、できたかもと思った。初めての妊娠。でも、「私、うれしくないかもしれない」。お腹の生命も大事だけど、生活って簡単に変えられないよ。ひとり驚喜する夫さんちゃんを尻目に、頼りなくも愛おしい妊婦マキの奮闘が始まる。目指すは、天才ロック・ギタリストの誕生日と同じ出産予定日! 笑えて、泣けるマタニティ小説。

もしかしたら少しだけ楽しいことかも

やっぱりこの人の書く文章は人を引き込む。家族が増えるということ、ふたりが「さんにん」になること。新しいなにものかがお腹の中にいるということ。それって一体どういうことなのか。どうやって人はそれを理解していくのか。

子供ってすばらしい!とか、子育てはこうあるべきだよね!とかそんなことが書いてあるわけじゃない。主人公だってぼんやり実感のないまま「お試しで」結婚して「お試しで」子供を産むのだ。

まあ、そんなもんだよね。そんなもんで、それでいいんだよね。
それでも、やってみると「何か」は確実に得るのだから。

最後の次は、はじめてなんだなと、気がついたように思った。(中略)二人きりの最後の大晦日の次は、はじめての三人のお正月。最後の次はなんにもないんじゃなくて、はじめての何かがやってくるのだ。

いいよなあ。こういうことに気付けるんだったら妊娠っていいなあ。
私は単純なので、こうやって彼女の小説に影響される。

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