ミリさんは、まっすぐ日々のできごとを捉えて、臆することなく自分の言葉で表す。「いやだな」と思ったことはそのまま書くし、「うれしいな」と思ったこともそのまま書く。ドキッとする。私は、こういう風に書くとどう思われるかな?と考えてしまうので、そのまっすぐさが眩しい。
実はミリさん、「47都道府県女ひとりで行ってみよう」というエッセイを読んでから、ちょっぴり苦手だった。仕事だから、と仕方なく旅をしている感じがしたからだ。私の大好きな「旅」を否定されたような気がして、しょんぼりしてしまった。でも、これ以降の作品を読むと、とても楽しそうに旅しているので、今読むと違う印象を受けるかもしれない。
「今日の人生」、すばらしかった。
■内容がすばらしい
なんてことない日常のひとコマなんだけど、共感したり、逆に「そうか、このひとはこういうふうに考えるんだ」って気づいたり、読んでいてとても楽しかった。
私の「わかるわかる部門」1位はこちら。服屋さんで、「ちょっといいな」と思って見ていると、「こちらも人気ありますよ」と急に別のものをおすすめされる話。
わかるわ〜こっち見てるのになんでそれ出してきた?っていう。売り手としては、「あ、それが好きならこれも好きかもしれないですよ」っていうことなんだろうな。でも、急だと伝わらない。言い出すタイミングが大事。うまくいけば両方買ってもらえるかもしれないし。
■装丁がすばらしい
カラフルで、ポップで、一目見て気に入ってしまった。緑をベースに、オレンジ、青、ピンク、黄色。白。さらに、このカバーをめくると、これまたかわいいのだ。(買って、見てみてね)
■こだわりがすばらしい
紙は、なんと4種類も使っている。厚紙も使っていて、さらに写真も挟まっている!紙だからできることを楽しんでやっている感じがして、すごくいい。こんなことやってみたよ!どう?どう?って言われているようで、思わず笑ってしまう。
コストもかかるだろうに、それをやってしまうミシマ社もいいね!こだわりが伝わってきて、こちらも幸せになった。本の良さって、 こういうところだよね。
ただただ愛されて生まれてきた本は、コレクションとして所有しておく価値があると思う。私は電子書籍も読むけれど、こうやって「持っておきたい」本が出版される限り、紙の本を買い続けるだろう。