自分の言葉で書いてみる

自分の言葉で書きたい。考えていることを自由に言葉にしたい。けれども言いたいことを言葉にするのはとても難しい。というようなことを考えていたら、中学生の頃に夏休みの宿題で書いた読書感想文のことを思い出した。課題図書はアクセル ハッケ「ちいさなちいさな王様」。

あらすじ

ある日突然、主人公のところに、人差し指くらいの大きさの、太った王様が現れる。王様は、主人公の家の本棚と壁のすきまに住んでいると言う。そして王様は、「僕」に、「お前の世界のことを話してくれ」と言ってくる。「僕」はこの世界のことを、そして王様は、自分の世界のことを話し、ふたりは交流を深めていく。

 

夏休みが明けて学校が再び始まると、国語の先生に呼び出された。私の書いた作文を加筆修正をして、コンクールに出してみない?という話だった。断りたかった。一度書いたものを書き直す作業が面倒だだなと思ったし、コンクールという響きがとてもいやだった。それでも断れなかったので、しぶしぶ了承した。

それから、先生に言われるがまま文章を直した。最初に書いた作文は、確かに私が考えて書いたものだったけど、直せば直すほど「これは私の書いたものではない」という思いが強くなった。指摘された通りに変更していったけれど、考えてもいなかったことを書くことになったからだ。

私は最初、「私にもちいさな王様が現れてくれればいいなと思いました」と書いていた。王様に会ったら世界が変わりそうだし、楽しそうだなくらいの気持ちだったと思う。

でも最終的には、「私は、もしかしたらすでにちいさな王様に出会っているのかもしれない」に変えた。先生に「王様に会えたら幸せになれるというような書き方は、他人任せな感じがしない?」と言われたからだ。

結局、作文は佳作だかなんだかの賞をもらった。複雑な心境だった。このもやもやした体験は、いつまでも忘れられない。

いつになったら書くことに慣れるんだろうか。書き続けてみないと、わからない。

 

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