オーストラリアにいると、人に助けてもらうことが多い。いろんなところでいろんな人に助けられながら、少しずつこちらの生活にも慣れてきた。
慣れると同時に、人に頼ってもいいんだと思えるようになった。それは助けてくれようとする人がまわりにたくさんいるからだ。
セブンイレブンではじめてコーヒーを買おうとしたときのこと。日本と同じように、セルフで淹れられるマシーンが店内にあるのだけど、支払いの仕方がよくわからなかった。
すると、それを見かねた一見強面のおじさんが、わざわざレジから出てきてくれた。コーヒーの種類は何がいいの?砂糖はここね、支払いはレジでしてもらうから、淹れたら持ってきてね、と最後まで丁寧に教えてくれた。無視したり、私から話しかけられるのを待つこともできたはずだ。でも、彼はそうしなかった。
悩みがある、困っている、自分ひとりでは抱えきれない。日々のそういったことをあまり人に共有せずに生きてきた。だからいつも事後報告になってしまい、そうすると「もっと頼ってくれればよかったのに!」と言われることも多い。そういうふうに言ってくれる人がいるのは、とてもありがたいことだ。
それにひとりでなんとかしようと思っても、いつも限界がある。自分で見つけられる答えにはそんなに多くないし、だれかと話すことによって道が開けることも多い。
自分の中にいろんな感情をためてそれが溢れると、誰かに還元したくなる。人に頼って、助けてもらったら今度は私が誰かを助ければいいんだ。そう思えるようになってきた。私にとって、とても大きな変化だ。